ゴジョウからカザミのことを頼まれたヒロトだが、その真意をどうしても理解できない。一方のカザミも、自身の理想とは大きくかけ離れた現実との溝を埋める方法を見つけられず、ただもがくばかり。そんな危ういチームワークの中で、護衛・撤退戦のミッションが始まろうとしていた。
[ もくじ ]
【オープニング前】
ここも違うか…
おぉい!どこに行ってんだ、ヒロト!またどこかで油を売って…!
敵機が接近してないか単独で警戒中だ。異常はない。
な、ならいいけどよ。しっかり頼むぜ。お前らがちゃんとしてくれねぇと、恥かくのはリーダーの…。
はぁ…。
ゴジョウとのやりとりを思い出すヒロト
(ヒロト君。)
(ん…?)
(カザミのこと、頼めないだろうか?)
(え?)
(ああいう奴だから、いろいろぶつかることも多くて。結局俺も、あいつになにもしてやれなかったから)
(でも、今日のクリエイトミッションで分かったよ。今でも、あいつは、あいつなりにもがいてるって)
(どうして俺に?俺は…)
(君に…頼みたいんだ。)
俺、何やってんだろうな。イヴ。
ヒロトに一方的に通信を切られ、苛立つカザミ
いっ…ぐぅっ…!
あのやろう!あー!くそ!ちょっと下手にでりゃあ、人のことを何だと思ってんだ!
うおっ!おっととととと!うわぁ!
…たくっ、何やってんだ、俺。
【Aパート】ep07『傷だらけの栄冠』
気を付けろよ!大切な物資だ!慎重に頼むぞ!
おう!
ほらほらカリコ、俺って力持ちー!
あぁもうっ、ちょっとやめろ!ザブン!近づくなって…
うぇぇーい!
どっわわわわ!
わぁぁぁぁぁ!
はぁ…。
ふぅ…。
大丈夫ですか?
僕も手伝いますよ。よっこいしょっと。
あ、あぁ、すまねぇな。
遊んでんじゃねーぞ、お前ら!いつ敵が来るか分かんねぇんだから!
ん?
ん?
つーか、来てくれねぇと、撃墜数が稼げなくてこっちが困るんだけどな〜
触るな!
んぁ?
ムランさん!
そいつは私たちの大切な物資だ。よそ者が勝手に手を出すんじゃない。
あ…
『よそ者』って…。そのよそ者に守ってくれって頼んできたのはそっちだろうが!
あぁ。お前たちには護衛だけを頼んだはずだ。だから余計なことはしなくていい。
ぐっ…。なんだとぉ!?
え、えぇぇぇぇぇ…。
え、えぇぇぇぇぇ…。
裏切られるのはもう、ごめんなのでな。
あのやろう!好き勝手言いやがって!…って、俺もただのイベントパートになに熱くなってんだ!?にしても、腹立つー!
どうかしたのか?
い゛っ!
ヒロトさん!
現状は、付近に敵機の接近はないようだ。
さっきは一方的に通話を切って悪かった…
っおせぇよ!ったくお前!いつもどこほっつき歩いてんだよ!
そんなんじゃ、ミッションクリアの称号、手にはいんねぇぞ!
くっ…。
な、なんだよ…。
…なんでもない。
ぬっ…はぁっ!…ちっ。…んぐぅっ…。
うわわわあの!ヒロトさん!?
カザミさん!?
何をしている!
うわ!
うわ!
メ、メイさん。
もうすぐミッション開始だ。準備を急げ。
あ、は、はい!
あ、は、はい!
…。(考える様子)
ったく。どいつもこいつも好き勝手しやがって。
だったら俺も、好きにさせてもらうぜ!…おぉ!キャプテンジオンの新作じゃねーか!
おわぁぁぁ!
うごぁぁぁぁ!
…え?
どうした、キャプテンジオン。いつもみたいに俺を修正するんじゃなかったのか?ヤッハッハッハッハハ!
ぐおぁっ!…ぬうぅぅっ…!
まさかこれ、負け回かよ。
(カザミ、知っているか。)
あっ…。
(キャプテンジオンが、どうしてかっこいいのか。)
やっぱかっこ悪いぜ!…おっ?
あっ…!
あっ…!
あっ…!
敵襲だー!
出発だ!早く出せ!
いきなりすぎんだろ!輸送中にくるんじゃねえのかよ!
どわぁ!
パルを率いて前衛に向かうメイ
パル!
あ、はい!
あぁ、お前ら!前衛は俺だってのに!
俺たちが後衛に回るしかない。
わ、分かってる、んなこと!
逃げ遅れて慌てふためくフレディ
うわぁぁぁぁぁぁ!?!
乗れ!フレディ!
ムランさん!
前方より展開する敵機を確認!迎撃する!
りょ、了解!
うぇあぁぁぁぁぁ!
本隊とは別の道を行くムランの車
うぉぉぉぉぉぉぉ!?
はぁ?ムランのやつ!偉そうなこと言って、道間違いやがったか!?
どうする?
ほっとけ!あんなやつ、俺の知ったこっちゃねーよ!
ぐっ…。
(お前、変わってないんだな。)
…いけ、ヒロト。
え?
行けってんだよ! 嫌なやつだが、みんなまとめて守りきるのが今回のミッションだからな。
しかし…。
俺ひとり残して行けないってか。お前が俺のことを信用してないのは知ってるよ。
あっ…!
だが今はごちゃごちゃ行ってる暇はねぇ!とにかくここは俺に任せろ!本体は俺が絶対守ってやる!
あっ…!
(今でも、あいつはあいつなりにもがいている。)
リーダーの俺が命令する!あっちはお前に任せた!
…って!おい、聞けよ!…なっ!?
…うっぅぅ。
うわぁあぁぁ!やいやぁぁぁぁぁぁ!
うわぁ゛ぁぁぁ…。
ふぅ…ふぅ…ふぅ…。よし、この道ならば、敵に見つからずに合流地点まで行ける!
うぇ!?それって、みんなを…!?
うっ…。これも作戦遂行のためだ。
なんだと!?
こんなとこまで!
前衛の部隊を護衛するメイとパル
このまま一気に進む。
りょ、了解!
くっ…。
ひとつ目に追い詰められ、過去の記憶が蘇るムラン
(どうしてだ!どうしてこんなことを!)
あぁっ…。
大丈夫か。
ヒロトさん!どうしてここに!
フレディ!?…リーダーの命令だ。「みんなを守れ」ってあいつに任されたからな。
くっ…リーダー?あの男が?
ひとりで奮闘するカザミ
ジャスティス、ランスー!
少しは当たれっての!
ぐっ…。
(このままミッションを成功させれば、今度こそ俺だって…!)
(俺だって、キャプテンジオンみたいに…!)
うっ!ぐわぁっ!くっ…なんだ!
新型!?ドートレスかよ!
ぐおっ!パワー上げすぎじゃねーか?ゲームバランス、無茶苦茶だぜ…
【Bパート】
くっ!…ぐっ!
なぜだ…。
うぇっ?
なぜあいつらは戦えるんだ…?何の関わりもない、私たちのために…
それは…。それが『ビルドダイバーズ』だからです!
はっ…
正直、みなさん何度かバラバラで、思ったより心もとない感じも…
でも、いつも全力で戦って、ひとつ目たちをやっつけてくれる!
心から信じられる、僕たちの大切な仲間なんです!
…うわ!創造主様相手にちょっとおこがましいことをー!?
仲間…
フレディ、君はムランさんたちと中継地点へ行け。
うぇ!?あ…は、はい!
あ、でも…。って、ヒロトさん!?
ビルド…ダイバーズ…
うわぁぁぁぁ!な、なんて火力だ…。このままじゃやられちゃいますよ!
ぐっ。
おわぁぁぁぁぁ!ぐっ…調子に乗りやがって…。やられてたまるかよぉ!
ぐあっ!…どはっ!
おぁ゛ぁぁぁぁぁぁ!
過去の記憶が蘇るカザミ
(何だよあいつ、格好ばっかりで。)
(ワンマンアーミー気取りじゃなぁ。付き合いきれねーぜ。)
(あたし無理…、やっぱ一緒にやってけないよ…)
(こんなの俺じゃねぇ…。次だ、次こそ俺が輝く番だ…!)
うぅぅ…っ、ちくしょうっ…。こんなはずじゃ…こんなはずじゃなかったのに…!(泣)
なんでだよっ…!なんで…!(泣)
また…だめなのかよっ…!(泣)
まだだ…。まだ終わってはいないぞ!
あっ…!
まだだと言っている!
はぁ!?ばっかじゃねぇの?勝ち目なんて全然ないってのに、なんでそうまでして戦っちゃうわけー?
自分に、嘘はつけないからな。
なに?
この胸に炎が、ガンプラ魂が燃えている限り、私は何度でも立ち上がる!
なぜなら、それがキャプテンジオンだからだ!
あっ…!
君の胸にもまだあるはずだ。熱く燃える何かが。
俺の…胸に…?
(そうとも!)
あっ…!
(今こそ、目覚めるときだ!誰のものでもない、君だけのガンプラ魂が!)
俺の中にある。俺だけの…!
う゛ぁっ!こんなところで終われねぇ…。終わってたまるかぁ!
今度こそ…、今度こそ、本当のヒーローに!本当の俺に、なるんだぁぁ!
ぐっ!
あっ…!?
遅くなった。
ふっ…。誰も待っちゃいねーよ。…いや、ちょっとは当てにしてたか。
…そうか。
なに!?
どわっ!お前たちは!
ふざけたマナー違反やろうが!たとえお天道様が許しても!
このガザ3兄弟が許さないわ!
君たち!?
遅くなりんした!キャプテン!
ふっ。いや、本当の戦いはこれからだ!
いくぞ!
あぁ!
う゛おぉぉぉぉぉぉりゃぁぁぁ!
あっ!?
お前ら!
お待たせしました!
レジスタンスたちは?
安心しろ。進行方面に展開していた敵機は掃討した。
輸送部隊の第1陣は、無事中継地点に到着している。
よし!あとはここを持ちこたえれば、ミッション終了だ!
もうひと踏ん張り!
…っ!あぶねぇっ!
カザミさん!
焦るな!やつの構造上の弱点は…!
うお゛ぉぉぉぉぉぉりゃぁっ!
あっ!?
…そう、近接戦闘だ。
うぉわっ!
はぁ…。ヒヤヒヤさせやがって…おっ…。
撃墜…?俺が…?
へへっ…おぁぁぁぁぁっははははっ!
今頃どうしてるかな〜、カザミ。
やっぱボロボロに負けてんじゃない?せっかく相手役買って出たのにさっ。
言えてる、あいつ反省しなさそうだし。
そうとも限らないさ。
おっ?
おっ?
出合いに恵まれさえすれば、人は変わることができるんだ。
よく持ちこたえたな。
へっ。俺を誰だと思ってやがんだ!
なんて、言えねぇな…。
1機落とすのにこのざまじゃあ、格好悪いぜ。
いや、格好悪いとは思わない。
おっ。
…あっ…。と、俺は思うんだが。
あ…へへっ。
そうですよ!
おっ。
格好良かったです!カザミさん!
うまく言えませんけど、なんか、一生懸命っていうか!なりふり構わずっていうか!めちゃくちゃっていうか!無駄に熱いっていうか!僕、感動しました!!
ぐぐぅぐ…。へっ…。
まったく、非効率な戦い方だ。
そうかよ。
だが、なぜかこれまでのどの戦いよりもパワーを感じられた。
それを、時に人は「格好いい」と言うのかもしれないな。
なんだそれ。褒めてんのか?…へっ。
あ…。
何かの気配を感じるヒロト
…んっ…?
な゛っ!?…ぐっ!
…あぁっ!…レジスタンスの基地が!
ん…あれは?
はぁぁっ…!
ぐわぁぁぁぁ!
てめぇ!何しやがる!
お前は一体。
おわぁぁぁぁぁ!
ぐっ…!
カザミさん!メイさん!うっ…!
だったらこれで!
リミテッド・チェンジ!アーストゥービーナス!
いっけぇぇぇぇ!
ちっ!
あっ!逃げるぞ!
…。(無反応)
シドーから逃げてきた一行
くそ!なんなんだあいつは!
あれがムランさんの言ってたガンプラなんでしょうか。
そんなの知るか!他人のミッション引っかき回しやがって!今度会ったら叩きのめしてやる!
みなさーん!
おぉ!フレディ無事だったか!
はい!それよりムランさんがみなさんにこれを渡してくれって!
…ん?俺たちに?
フレディとムランのやりとり
(フレディ、これを、ビルドダイバーズへ…)
(え?)
(これさえ無事なら、私たちの戦いは、まだ、終わらない…)
(うぁ…)
このミッションの本来の目的は、このギミックの移送だったということか。
そうか!だから、基地や残された物資を破壊されても、ゲームオーバーにならなかったんですね!
くぅーっ!粋なことやってくれるじゃねぇか、運営さんよぅ!
ビルドダイバーズのことを信じてくれたんです、ムランさん。
だからこのペンダントをみなさんに…。ムランさんはこうも言ってました。
これは、僕たちに残された『最後の逆転の鍵』だって!
逆転の…鍵…?
【次回予告】ep08『使命と幻影』
ダイバーたちには、それぞれのミッションがある。手にいれたいもの、行きたい場所、なりたい自分。
私にとってのそれは…。
次回、『使命と幻影』
【ジャスティス・カザミのリライズニュース】
いくぜっ! この俺! ジャスティス・カザミの、リライズニューッス!
今回紹介するのは、スマートフォン向けアプリゲーム、ガンダムブレイカーモバイルだ!自分だけの俺ガンプラを組み上げて、戦うことができるアプリなんだ!
ヒロトのアースリーガンダムも、参戦してるんだぜ?必殺技もまじかっこいいぜ!あいつだけずりぃーぃ!
それで、なになに?豊富なパーツを使って自由にカスタムっておいおいおーい!どんだけ贅沢なんだよ!俺ガンプラを作るにしても、大盤振る舞いすぎだろ!
ジャスティス・カザミの注目ポーイント!ななななんと!ヒロトの機体!マーズフォーガンダムが参戦!
おぉ!こっちもかっけぇー!やっぱあいつだけずりぃーい!マーズフォーガンダムをゲットして、お前らもガンガン操縦してくれよな!
んじゃ、次回もとっておきのリライズニュースを届けてやっから、楽しみにしてろよ!